またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「おばさん、おはよう~!あれっ、今からおしゃれしてどこかにお出かけ?」

おばさんがゴミ袋片手に部屋から出てきた。

普段はしない化粧をしてなにやらめかしこんでいるおばさんに尋ねた。

「おはよう。今日はね、これから東京に行くの。娘が結婚することになって親同士の顔合わせがあってね」

「へえ~!結婚!そうなんだ!!おめでとう!!」

娘さんが東京にいるという話は聞いたことがあったけど、まさか結婚なんて!

あたしは心の底から祝福した。

「ありがとう。リリカちゃんは朝帰り?」

「うん。友達の家に泊まったの」

「友達って昨日きた子?肩まである黒髪の……」

「え?なにそれ。あたし、知らないんだけど」

「そうなの?リリカちゃんと同じクラスだって言ってたよ」

ハッとした。うちを尋ねる子なんているはずがない。

それってもしかして……――。

「その子って目の下に小さなほくろなかった?」

「あー!!あったかも」

「やっぱり萌奈だ。ていうか、おばさん、色々しゃべった感じ?」

「色々って?」

「うちのこと」

おばさんが突然狼狽え始める。
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