またいつか君と、笑顔で会える日まで。

母の絶叫にめまいがしてきた。

「もうやめようよ」

そう口にしたとき、寝室の扉が開いた。

「おめぇらうるせぇんだよ。寝てらんねぇだろうが!?」

高橋はあたしの元へ歩み寄ると、あたしの太ももを蹴りつけた。

「っ……」

太ももに痛みが走り顔を歪めると、高橋はあたしの髪の毛を鷲掴みにした。

「痛い!!やめてよ!!」

そのまま引きずり倒されたあたしに高橋は馬乗りになった。

肋骨の辺りが酷く痛み息をするのも苦しくなる。

「や……め……」

必死になって抵抗しても大の男の力には到底かなわない。

何度も何度も顔面を平手打ちされて脳がぐらんぐらんと揺れる。

鼻から溢れた血が耳の方まで垂れてくる。

「ちょっとぉ、たっくんさすがにそこまでやったら死んじゃうよ」

「うるせぇな!俺は生意気なガキを教育してやってんだ!!」

何が教育だ。アンタに学ぶことなんて何一つない。

「もういいよぉ。リリカだって分かってるってぇ」

「ガタガタうるせぇんだよ!!」

媚びるような口調の母に苛立った高橋は立ち上がると怒りの矛先を母に向けた。

殴られた母が扇風機にぶつかり尻もちをつく。

扇風機が音を立てて床に倒れた瞬間、時が止まったような気がした。

全てがスローモーションになった。
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