またいつか君と、笑顔で会える日まで。
あれから、私は学校へ行くことができなくなった。食事もまともにとれず中二の時のように真っ暗な部屋の中に閉じこもった。

でも、今日は約束がある。リリカちゃんの話をしに再び警察署へ行くために車に揺られている。

サイドミラーに映し出された自分の顔にギョッとする。

頬がこけ目の下にクマを作った私は酷い顔をしていた。

「辛いだろうけど、彼女の為だと思って話を聞かせてください」

警察署に着き母と別れると、私は机と椅子だけの小さな部屋に通された。

部屋の奥には大きな窓があり小さい部屋ながら開放的な空間に感じられた。

いくつかの雑談のあと、柔らかい雰囲気の女性警察官は透明の袋に入ったキーホルダー差し出した。

「これに見覚えはありますか?」

「はい……。おそろいで買ったキーホルダーです」

「そうでしたか。相当大切なものだったんでしょうね。このキーホルダーをリリカさんは最期までずっと握り締めていました」

「え……?」

「彼女の生い立ちなどはニュースなどでご存知ですよね?」

「はい……」

リリカちゃんは私が思っているよりもずっと過酷な日々を生きていたと知って愕然とした。

私は結局最後の最後までリリカちゃんのことを理解できていなかったのかもしれない。
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