またいつか君と、笑顔で会える日まで。
リリカちゃんが亡くなってから今まで、私は一度も泣かなかった。泣かなかったのではなく泣けなかったのだ。

リリカちゃんがもうこの世にはいないなんて考えられなかったから。信じられなかったから。

突然「なんてね!生きてるから!!驚いた?」とか何とか言って現れるような気がしたから。

「リリカちゃん……、リリカちゃん!!」

あたしは消しゴムの入った袋を握り締めながらリリカちゃんの名前を呼んだ。

こんなの嫌だよ。こんなお別れの仕方なんて絶対に嫌だ。

リリカちゃんと過ごした日々が走馬灯のように蘇る。

リリカちゃんは私の太陽だった。私を輝かせてくれる太陽。私はリリカちゃんという太陽に照らされていないと生きていけない。

それなのにどうして私を置いてってしまったの……?

まだやり残したことたくさんあるでしょ?「またね」って言って別れたでしょ?

バイバイじゃない。次に会う約束も取り付けた。

夏には海とかプールにいくんでしょ?夏祭りにも行くって言ってたじゃない。

将来は臨床心理士になって苦しんでる人の話を聞いてあげたいって言ってたのに。

全部、まだ途中だよ。

涙はとめどなく溢れ続ける。

ダムが決壊してしまったかのように拭っても拭ってもとめどなく溢れる涙。
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