またいつか君と、笑顔で会える日まで。
女性警察官がそっと私の隣にやってきて背中を摩ってくれた。

過呼吸寸前になりながら考えることはリリカちゃんのこと。

今警察官の人がしてくれたように、リリカちゃんは私の背中を摩ってくれた。

優しくしてくれた。励ましてくれた。支えてくれた。私に生きる希望をくれた。

生きていていいんだって、そう思わせてくれた。

ひとりぼっちだった私の前に現れたリリカちゃんの存在に私は救われたんだ。

「会いたい……。リリカちゃんに会いたいんです……」

たった一言だけ。一言だけでいい。彼女に伝えたい。

私も大好きだよって。ありがとうって。

彼女に伝えたかった。それすらもう叶わないなんて。

「私はこれから一体どうしたらいいんですか……?私はリリカちゃんに何もしてあげられなかった。何も……」

「青木さん……」

「リリカちゃんに会いたい……。もう会えないなんてそんなの嫌だ……。リリカちゃん……」

後悔ばかりが波のように押し寄せて私を苦しめる。

もっとこうしてあげたらよかった、こう言ってあげればよかった。

そんなたらればばかりが頭に浮かび、心の中で消化できないまま溜まっていく。

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