またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「あのさ……もしかして二人になんか言われた?」

二人とは嶋田さんと浅川さんのことだろう。リリカちゃんは察したのかもしれない。私が二人に何かを言われたことを。

周りを見ていないようで彼女はよく見ている。

「言われてないよ」

「本当に?」

「うん」

本当は言われたけど、私は嘘をついた。

相手を傷付けないためにつく嘘ならきっと許してもらえるだろう。

「それならいいんだけど。なんかあったらあたしに言ってよ?絶対ね?」

「うん」

「一人で抱えこまないでよ?」

心配そうな表情を浮かべるリリカちゃんに微笑む。

「うん。それとスイーツ、買ってきてくれてありがとう。嬉しかったよ」

コンビニの袋を胸にぎゅっと丁寧に抱きしめる。

「どういたしまして。てか、ごめんね、夜遅くに。お母さんにもごめんなさいって謝っておいて」

「うん。あっ、この辺りわからないよね?大通りまで送ろうか?」

「あー、いい!全然大丈夫!じゃ、また明日学校でね!」

リリカちゃんはそう言うとひらひらと手を振り玄関の扉を閉めた。
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