またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「おはよう～！萌奈～！」

「おはよう」

目を細めて満面の笑みで挨拶をしてきたリリカちゃん。

いつものように明るいリリカちゃん。だけど、どうしてだろう。

顔色がいつもより優れない気がする。それに、目の下にクマができている。

その背後で嶋田さんと浅川さんが目を見合わせて何とも言えない表情を浮かべた。

「萌奈、あのさ――」

「ごめんね。トイレ行ってくる」

私はリリカちゃんの言葉を遮るようにすかさず立ち上がり、くるりと背中を向けて歩き出した。

昨日リリカちゃんがうちに来たなんて二人に知られたら、リリカちゃんがなんて言われるか分からない。

リリカちゃんが二人に悪口を言われるのは嫌だ。二人と仲が悪くなってしまうのも嫌。

でも、一番嫌なことは私のせいでリリカちゃんが苦しむこと。

くったくのないリリカちゃんのその表情を消して曇らせたくはない。

タンッと誰かの上履きが床を蹴り上げた音がする。

同時に私の手首はその音の主によってがっちりと掴まれていた。

絶対に離さない。そんな覚悟すら感じられるほどの強さでリリカちゃんは逃げようとする私を引き留めた。

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