またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「――ちょい待った!何度も逃がさないから!!」

「は、離して――」

「なんであたしから逃げようとするの?あたしのこと、嫌い?」

「そうじゃないよ。そうじゃないけど――」

チラリと視線をリリカちゃんの背後の二人に向ける。

二人は目を見合わせたあと、顔の半分だけを吊り上げた。

その表情に見覚えがあった。

そうだ。中学時代仲の良かったあの3人も同じ顔をしていた。

嫌悪、軽蔑、侮蔑。

私を下に見て薄ら笑いを浮かべている。

ドクンッと心臓が不快な音を立てて鳴り始めた。

まただ。過去の出来事が突如フラッシュバックする。

「……――っ」

恐怖に腰が抜け、その場にしゃがみこんだ。

「ちょ、どうしたの!?萌奈!?萌奈ってば!?」

ぐわんぐわんっとリリカちゃんの声が脳内で反響している。

まるで水の中にいるみたいな感覚だ。

音は聞こえているのにどこかくぐもって聞こえる。
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