またいつか君と、笑顔で会える日まで。
私は自分のことばかり考えて周りの人のことすら考えることのできない自己中心的な人間だ。

両親だけでなく私に関わる全ての人々を裏切り、傷付け、泣かせて悲しませてしまった。

その事実に私は打ちのめされた。

「ハァ……、ハァ……」

私はいつまでこの恐怖と戦わなければいけないんだろうか。

顔を歪めながら胸を手で抑えて必死に空気を吸い込もうとする。

でも、苦しさの波は絶えず訪れる。

苦しい。苦しいよ。誰か。誰か助けて――。

心で叫んだそのときだった。

私の背中に温かい何かが触れた。

上下するその温かいものが何か分からない。

でもその温もりは妙に心地のいいものだった。

「……っはあぁ……ハァ……」

水の中から勢いよく顔を出したかのように突然息が吸えるようになった。

肩を上下させて呼吸を整える。いつの間にか私の周りには人だかりができていた。

「オッケー!よかった、大丈夫!」

ふと私の顔のすぐそばで声がした。

リリカちゃんはずっと私の背中をさすってくれていた。
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