またいつか君と、笑顔で会える日まで。
ああ、そうか。あの温もりはリリカちゃんの手のひらの熱だったんだ。

気付いてお礼を言おうとするも、声が出せない。

「みんなー、もう大丈夫~!あたし、萌奈のこと保健室連れてくから先生に言っといて~!!」

リリカちゃんはそう言うと、座り込んでいる私の肩を右手で抱き顔を覗き込んだ。

「立てる?」

その言葉に小さく頷く。

「オンブする?」

私はその言葉に首を横に振る。

「お姫様抱っこしましょうか?」

彼女のことだ。本当にしかねない。

私はブンブンっと激しく首を横に振った。

「なんてねっ。する気ないけど言ってみた」

そう言って茶化すようにふふふっと明るく笑うリリカちゃんにつられて私も微笑んだ。

リリカちゃんはやっぱり太陽みたいな人だ。

「気分どう?大丈夫?」

「うん。もう大丈夫」

「そっか。でも、大事を取ってしばらくここでゆっくり寝なさい」

「ありがとう」

保健室の中は薬品の独特な匂いがする。

あいにく保険医の先生は不在で私はリリカちゃんに促されるまま一番奥のベッドで横になった。

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