またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「え、もえもえって何?」
私の言葉を代弁するように彼女の友達が首を傾げながら問いかける。
「名前が青木萌奈だから、もえもえ。あたしさ、ずっと可愛い名前だって思ってたんだよね!」
彼女の言葉に面食らう。
まさか私のフルネームを知っていたなんて。
席は前後だけど、この一か月で言葉を交わしたのは始業式の時のたった一言だけだったのに。
可愛い名前と言われて返答に困っていると、彼女の友達たちが私を見定めるように凝視した。
「なんか、顔に似合わなくない?」
「萌奈って顔じゃないよね」
互いに目を見合わせてクスクスッと笑い合ったその悪意のある表情に気付き胸の奥が震えた。
『アンタ、萌奈って顔じゃないでしょ』
記憶の奥底に閉じ込めていたはずなのに。それなのに。
ああ、マズい。手が小刻みに震え始めた。
キーンっと耳鳴りがする。
目の前がぐらりと揺れそうになり、震える両手を机について立ち上がると、彼女たちに背中を向けて歩き出す。
ダメだ。フラッシュバックしてしまう。
「えっ!もえもえ?」
リリカちゃんの不思議そうな声が背中にぶつかったとき、私はたまらずに教室から飛び出した。
私の言葉を代弁するように彼女の友達が首を傾げながら問いかける。
「名前が青木萌奈だから、もえもえ。あたしさ、ずっと可愛い名前だって思ってたんだよね!」
彼女の言葉に面食らう。
まさか私のフルネームを知っていたなんて。
席は前後だけど、この一か月で言葉を交わしたのは始業式の時のたった一言だけだったのに。
可愛い名前と言われて返答に困っていると、彼女の友達たちが私を見定めるように凝視した。
「なんか、顔に似合わなくない?」
「萌奈って顔じゃないよね」
互いに目を見合わせてクスクスッと笑い合ったその悪意のある表情に気付き胸の奥が震えた。
『アンタ、萌奈って顔じゃないでしょ』
記憶の奥底に閉じ込めていたはずなのに。それなのに。
ああ、マズい。手が小刻みに震え始めた。
キーンっと耳鳴りがする。
目の前がぐらりと揺れそうになり、震える両手を机について立ち上がると、彼女たちに背中を向けて歩き出す。
ダメだ。フラッシュバックしてしまう。
「えっ!もえもえ?」
リリカちゃんの不思議そうな声が背中にぶつかったとき、私はたまらずに教室から飛び出した。