またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「あの時、超焦ったの。そしたら、これ使ってください、だからね。ホント感謝しかない!」

「そんなこともあったね。すっかり忘れてたよ」

「してあげた方は忘れててもしてもらった方は覚えてるもんだよ」

にっこりと笑いながら言った後、

「って、ごめん。あの消しゴム返すね」と申し訳なさそうに言った。

「本当は試験終わってから返そうと思ってたんだけど、トイレ行ったりしてたら萌奈いなくなってて返しそびれちゃって。ていうか、それって借りパクじゃんね?」

「いいよ。気にしないで?」

「いや、あたしが気になるし」

「ううん、昨日スイーツもらったからそれでいい」

「ダメだよ。あたし、そういうのはきちんとしたいタイプなの!!ちゃんと新しいの買って返します」

「いいって」

「ダメだよ!ねぇ、今日の放課後暇?暇だったら一緒に消しゴム買いに行こうよ」

「え」

「暇じゃない?あ、てか体調悪いから無理か」

――ううん。無理じゃない。

心の中で呟く。

喉の奥がヒリヒリする。言いたい。無理じゃないって。

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