またいつか君と、笑顔で会える日まで。
朝、散らかった部屋を見てまた高橋に理不尽に怒鳴り散らされるのが嫌だったからだ。

「痛っ……」

スカートからYシャツの裾を引っ張りだし、左胸の下を見る。
昨日高橋に蹴られた肋骨あたりが野球ボールほどの大きさで青紫色に変色している。

踏みつけられた背中もおなじようになっているだろう。

腕だってそうだ。しばらく半袖のYシャツを着ることはできないだろう。

いたるところに高橋からの暴力の跡が残っているから。

授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。

制服を整えてからトイレを出る。すると、タイミングよく担任の先生と出くわした。

「青木さんの話、聞いたわ。保健室へ連れていってくれてありがとう。様子はどうだった？」

「今は大丈夫みたいですよ～！少し休めばよくなると思います」

「そう。それならよかった」

先生はホッとした表情を浮かべた後、改まった様子で言った。

「ごめんね。昨日も話したと思うんだけど……」

「授業料のことですよね？あと積立金」

「そうなのよ。お母さんと話してくれた？」

「まだ……話せてません」

「そう……」

引き落としができないと担任から母に連絡があった。口座にお金を入れておくと約束していたのに母はその約束をいとも簡単に破った。
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