こんなにも愛しているのに〜すれ違う夫婦〜
茉里と一緒にいると自分の罪を、醜い自分の姿を見せつけられているようで
辛かった。
茉里はもっと辛かったのだろうが。

一人別の日に行った方が、
何も気にせずにゆっくりと手を合わせられてなんだか
重い荷物を下ろしていいよって言われているような気がしたんだ。
俺の勝手な思い込みだが。
母親を連れて行ったのは、
何度か一緒に行きたいと言われて
茉里と一緒にさせないためでもあった。
一緒に行くとお袋は案の定、
茉里への不満や悪口を山ほど言うので、
やっぱり一緒でなくってよかったと
自分勝手に
安易に思い込んでいた。

そう言う俺の態度は
茉里からしたら
やはり
家族であることを放棄したようにしか見えないよな。

「ごめん。
何といえばいいのか、自分のことしか考えていなかった。
でも
だからと言って、廉のことを蔑ろにしたりぞんざいに思ったり
したわけじゃないんだ。」

「そうかしら?」

「え?」

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