こんなにも愛しているのに〜すれ違う夫婦〜
そうだ。
俺は斉木が見せた女の顔に慄いたんだ。
このままコンプライアンスにかけられて馘になるかもしれない。
それでもいいかとまで
思っていた。
自分が中途半端に手を出したツケが回ってきたんだ。
相手は部下でも、女だったんだ。
ただ、茉里には知られたくなかった。
それだけだった。
俺って最低だ。
「そのうち斉木は退職届を出して、今月で会社を辞めることになった。
正直、ほっとしたよ。
軽蔑するだろう、そんな思いを持った俺を。
自分で始末をつけられないなら、たとえどんなことでも情けはかけてはいけない
って事だな。
斉木は昨日、最後ですから私に付き合ってください。
って俺のデスクに来て言うんだ。
まだ、みんなが退社していないのに。
俺が拒否したら、きっとみんなに聞こえるように言うんだろうなと
思えたから頷くしか
なかった。」
「。。。。。。」
「最後ですから、今日は私が奢りますって。
そこでワインを結構飲んでいて、終いには泣き出して。。。どうしようもなくって
外に出たら、手をひかれて連れて行かれたところが、ホテルの前だった。
やっぱり抱いてくださいって言われて。これでちゃんと実家に帰りますから。もし
抱いてくださらないんだったら、実家に帰らずに住所不定のまま
あちこちを彷徨います。って
脅されたんだ。
でも そんな勝手な言い草に俺は流されるどころか怒りすら覚え、
彼女を振り解こうとしたところを
ましろに見られてしまった。」
「私はあなたと彼女が抱き合おうが合うまいが、そんなことはどうでもいい。
私たち自身がもう破綻した夫婦生活しか送っていなかったんですもの。
私たちはましろの父であり母であると言うことだけで、同居していたようなものでしょう。
よその女の人で満足していたのなら、それはもう仕方がないことよね。」
茉里の言葉が突き刺さる。
何があっても茉里は自分についてきてくれるだなんて
そんな自信がどこからきたのだろう。
盲信か。。。
茉里の誕生日プレゼントひとつ
自分で選ぶこともしないで、
一緒に食事に行くこともせず
茉里の誕生日に
自分は何をしていたのだろうか。
俺は斉木が見せた女の顔に慄いたんだ。
このままコンプライアンスにかけられて馘になるかもしれない。
それでもいいかとまで
思っていた。
自分が中途半端に手を出したツケが回ってきたんだ。
相手は部下でも、女だったんだ。
ただ、茉里には知られたくなかった。
それだけだった。
俺って最低だ。
「そのうち斉木は退職届を出して、今月で会社を辞めることになった。
正直、ほっとしたよ。
軽蔑するだろう、そんな思いを持った俺を。
自分で始末をつけられないなら、たとえどんなことでも情けはかけてはいけない
って事だな。
斉木は昨日、最後ですから私に付き合ってください。
って俺のデスクに来て言うんだ。
まだ、みんなが退社していないのに。
俺が拒否したら、きっとみんなに聞こえるように言うんだろうなと
思えたから頷くしか
なかった。」
「。。。。。。」
「最後ですから、今日は私が奢りますって。
そこでワインを結構飲んでいて、終いには泣き出して。。。どうしようもなくって
外に出たら、手をひかれて連れて行かれたところが、ホテルの前だった。
やっぱり抱いてくださいって言われて。これでちゃんと実家に帰りますから。もし
抱いてくださらないんだったら、実家に帰らずに住所不定のまま
あちこちを彷徨います。って
脅されたんだ。
でも そんな勝手な言い草に俺は流されるどころか怒りすら覚え、
彼女を振り解こうとしたところを
ましろに見られてしまった。」
「私はあなたと彼女が抱き合おうが合うまいが、そんなことはどうでもいい。
私たち自身がもう破綻した夫婦生活しか送っていなかったんですもの。
私たちはましろの父であり母であると言うことだけで、同居していたようなものでしょう。
よその女の人で満足していたのなら、それはもう仕方がないことよね。」
茉里の言葉が突き刺さる。
何があっても茉里は自分についてきてくれるだなんて
そんな自信がどこからきたのだろう。
盲信か。。。
茉里の誕生日プレゼントひとつ
自分で選ぶこともしないで、
一緒に食事に行くこともせず
茉里の誕生日に
自分は何をしていたのだろうか。