薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~
枕の上に散っている、彼の黒い髪が微かに揺れる。
見事なまでの直毛。全然乱れた様子がない。
私も同じく黒髪の直毛。背中の半分ほどまで伸ばしている。
ふたり、髪質が似ているのが嬉しい。
「純だって、ブッシュドノエル? 去年のクリスマスに作ってくれたじゃん。職人さんみたいに」
「まあな。職人だから、俺」
「ギター職人」
「そう」
ふ、と彼が笑う。
そして目をぱちぱち、として私から視線を逸らした。
「あと、一緒に風呂に入るのが嫌なとこ」
「ヤダよー」
ご飯の後、お風呂にしようということになって、純は一緒に入るかと提案してきたのだ。
「今更裸なんて見られても、よしちゃん気にしないだろ」
コオオー、とエアコンの風が心地よく吹いてくる。
見事なまでの直毛。全然乱れた様子がない。
私も同じく黒髪の直毛。背中の半分ほどまで伸ばしている。
ふたり、髪質が似ているのが嬉しい。
「純だって、ブッシュドノエル? 去年のクリスマスに作ってくれたじゃん。職人さんみたいに」
「まあな。職人だから、俺」
「ギター職人」
「そう」
ふ、と彼が笑う。
そして目をぱちぱち、として私から視線を逸らした。
「あと、一緒に風呂に入るのが嫌なとこ」
「ヤダよー」
ご飯の後、お風呂にしようということになって、純は一緒に入るかと提案してきたのだ。
「今更裸なんて見られても、よしちゃん気にしないだろ」
コオオー、とエアコンの風が心地よく吹いてくる。