薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~
2・皆さまの大好きな進路希望調査票です
「どーも。酒井田右京っす」
五月のある日の放課後、私は純に、屋上階段へと呼び出されていた。
ここは純の第二のステージで、屋上へと続く踊り場。
屋上は常に施錠してあって行けないようになっているから、生徒は誰もこないシークレットスポットだ。
私が純と初めて出会ったのもこの場所。
純と同じバンドを組んでいた森村瞬という、当時私とつきあっていたようないなかったような関係の彼に紹介されたのだった。
とりあえず来てよ、と誘われ、私はここへ来たのだけれど、まさかまた誰かを紹介されるとは――。
「酒井田くん? 軽音のひと?」
私が来た時は既に、ふたりともギターを肩から下げて思い思いに運指の練習をしていた。
五月のある日の放課後、私は純に、屋上階段へと呼び出されていた。
ここは純の第二のステージで、屋上へと続く踊り場。
屋上は常に施錠してあって行けないようになっているから、生徒は誰もこないシークレットスポットだ。
私が純と初めて出会ったのもこの場所。
純と同じバンドを組んでいた森村瞬という、当時私とつきあっていたようないなかったような関係の彼に紹介されたのだった。
とりあえず来てよ、と誘われ、私はここへ来たのだけれど、まさかまた誰かを紹介されるとは――。
「酒井田くん? 軽音のひと?」
私が来た時は既に、ふたりともギターを肩から下げて思い思いに運指の練習をしていた。