薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~
「このリズムで」
 右京くんは右足でリズムを踏む。
「ワン・トゥー」
 純の掛け声で音楽は始まった。
 あ――STAND BY MEだ。
 私が初めて純の歌声を聴いた曲。
 私は彼らより少し下の階段に腰を下ろし、目を閉じた。
 すっとメロディが入ってくる。
 そして、歌声も。
 純のクリアボイス、聴くの久しぶり。やっぱりいいな。
 囁くようで、だけど力強い。
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