薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~
 手にした生徒からぶつぶつと声が聞こえる。
 最後に私たちの列に紙が配られてきた。
 私は後ろの純にプリントを渡す。
 何も言わずに、気怠そうに彼は後ろにプリントを回す。
 進路かぁ。
 うちの学校の大半は進学だから、純もそうするんだろうけど。
 ってか、純が就職なんて想像がつかない。
 会社員? 警察? はたまたケーキ屋? どれも嵌まらない。
 私は進学したいけど、親がなぁ。
 はー、と私は息を漏らす。
 大学通うとなったら、学費かかるし。
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