薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~
「ん~」
 私はサンドイッチを齧るのを止め、考え込んでしまう。
「う~む」
「そういう話したことないの?」
「俺と一緒のキャンパスライフ過ごそうぜ! みたいな」
「純はそういうこと言う奴じゃないし……。きっと放任。好きにしろって言われそう」
「あ~」
 納得、といった感じでふたりは同時に頷く。
「好きにしたら? 一緒の大学行く! って」
「そうだけど……」
 しつこいとかめんどくさい女だとか思われないかな。
 ってか、一緒に進学したいって言ってくれてもいいのに――……言わないか、あいつは。
 今頃、視聴覚室でギターの練習をしているだろう純。
 あたまのなかは、音楽のことでいっぱいなんだろうな。
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