薔薇の嵐が到来する頃 吹き抜ける物語 ~柚実17歳~
☆
「お母さんって大学出てるの?」
仕事から帰宅して、ストッキングを脱ぎ捨ててソファの上で脚のマッサージをしている母に、その夜聞いてみた。
「え~。あなた親の学歴も知らないの?」
マッサージに使っているのはコロコロのついたローラーだ。100均で買ったものだというけれど、結構効くらしい。
保険の外交員をしているので外回りが多く、しかもパンプスなんて履いているから脚にくるという。
「だって、教えてくれなかったじゃない」
「柚実が聞いてこなかったからじゃない」
私はそうかなぁと思いながら、リビングに隣接するキッチンで、豚肉を一枚ずつ剥がし、土鍋に入れていた。
「お母さんって大学出てるの?」
仕事から帰宅して、ストッキングを脱ぎ捨ててソファの上で脚のマッサージをしている母に、その夜聞いてみた。
「え~。あなた親の学歴も知らないの?」
マッサージに使っているのはコロコロのついたローラーだ。100均で買ったものだというけれど、結構効くらしい。
保険の外交員をしているので外回りが多く、しかもパンプスなんて履いているから脚にくるという。
「だって、教えてくれなかったじゃない」
「柚実が聞いてこなかったからじゃない」
私はそうかなぁと思いながら、リビングに隣接するキッチンで、豚肉を一枚ずつ剥がし、土鍋に入れていた。