アスミルセカイ
「これで4時間目の授業を終わります。礼」
「「ありがとうございました」」
黒板を消そうとしている春樹に1人の女子が話しかけていた。
「春樹くん、良かったら私も手伝うよ」
「いや、別に」
「いいから、いいから!手伝わせて!」
「ああ、じゃあお願いします」
「うん!」
(絶対あの子、春樹のこと好きじゃん)
別に手伝いとかだったら良いんだけど、やっぱ、距離が近くなってるとモヤモヤする。
「あー、もう!」
「何神経起こしてんの、未来」
「雫、春樹って私の事、どう思ってると思う?」
「それは私にも分かりかねる…」
最近不安になる。
私は春樹のこと恋愛対象だけど、春樹は私のこと、兄妹感覚なんじゃないかとずっと思っている。
いつの間にか、誰かにスッと横を取られてるんじゃないかって思ってしまう。
(そんなの嫌だよ)
私の隣にいるのは、春樹がいい。
それは自分都合な願い。