アスミルセカイ

「朝陽くん、なんでっ!」
(いきなり腕掴まれたから拒めなかった…)

「俺らの内緒事覚えてる?」

「え、…あ!」

「そーゆーことだよ。せっかくあの2人が2人きりになれるかもしれないチャンスだし。あー、だとしてもごめん、未来ちゃんとの時間を勝手に奪って」

「いや、別にいいよ、てか朝陽くんすごいね」

「え、何が?」

「他人の為に咄嗟に判断して行動できる人っていないと思う。だから」

「正直かっこいいって思った」

(って、聞いてない。こっち向いてないし。…肝心なところ聞いてないな。)
「ありがとう」

聞いてないと思っていたら不意打ちで返された優しい“ありがとう”
そして彼の柔らかい笑顔。

自分も優しい気持ちになれる。
それはきっと彼の力。
包容力。

「せっかくだし、私達も回ろう。朝陽くんが良ければ」

「…っ。俺で良ければ」

「やったー!じゃあ太鼓の達人しよ!私絶対フルコンボできる曲あるから絶対勝つけどね」

「お、それはお手並み拝見だな。まあ俺が勝つよ、ごめんね〜」

「おおー言ったな?」
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