アスミルセカイ
当日の朝。
7:30。みんなはもうグラウンド待機している。
私は写真部の打ち合わせへ向かっていた。
「本日はどうぞよろしくお願いします」
部員はみんな自分のカメラを持って、軍のハチマキを腕に、部室をあとにする。
「蒼井さん」
「はい、なんでしょうか?…って、ああ」
暁月零(あかつき れい)くん。同じクラスで名簿が隣。
暁月くんは3番で私は2番。
だからっていって、私は積極的に男子と話すタイプでは無いので、全く話したことない。
色白で、いつも1人で写真を撮ってる男子なんだけど…。
実は写真部は零くんと私だけ。
「暁月零です。知ってた?」
「そりゃ名簿隣ですし、知ってるよ」
「てか、蒼井さんって俺と名前似てるよね。零と雫って同じ部首だし。漢字の形が似てる」
「あ、たしかにね!すごい、似てる」
「蒼井さん、今日はよろしくね。同じ同級生が蒼井さんしかいないからさ。俺、先輩とかと上手く喋れるわけでも無いから…」
「私もー、分かるかも。やっぱ同級生の方が安心感あるよね。がんばろ!」
「あ、うん」