アスミルセカイ
ガラッ
「すいません。朝陽いますか?」
「あ、春樹!」
バスケのユニフォームを着た爽やか系イケメンがガラッとドアを開けた。
「朝陽…またこんなとこでサボって…っ!!お前、レギュラーなんだから、来いよな!」
「あれ、春樹くん、部活途中?」
「あー、そうなんだよね、ごめんね。雫ちゃん。本当にこいついつもこんなんで」
「春樹」
「あーいたのか、未来」
「っ!いたのかって何!本当にいつも私に態度悪いよね。なんなの?人種差別?」
「別にそういうわけじゃない。うるさい。静かにしよ。あ、絵の具ついてるよ」
と言いながら春樹くんは自分のほっぺを指さす。
『春樹』とは、九条春樹(くじょう はるき)。

私達、4人は幼馴染で小学校から一緒。
でも特に、未来と春樹くんは、両親同士が仲良くて、物心ついた頃からずっと一緒らしい。
だからかいつも会うたびに喧嘩腰。

「てことで、春樹に見つかったから、戻らなきゃ。写真ありがとう!またね、雫ちゃん!」
「…お前あとで70回スクワットな」
「先生、春樹がいじめてきます!」
「おう、頑張れよ」
「先生のろくでなし!!!」
「人でなしな!お前、本当にいい加減にしろよ!」
朝陽くんと春樹くんは嵐のように去っていった。

「あ、ごめん。行こっか、未来」
「うん!」

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