アスミルセカイ
第2章Summer
心揺れる部活見学
体育祭が終わり、なんとなくで過ごした2ヶ月。
親友の成瀬未来(なるせ みく)は、幼馴染の九条春樹(くじょう はるき)と両想いになり、クラス…いや学年の注目の的になった。
体育祭が終わった後の教室では未来の記者会見が行われていた。
未来は教壇に立たされ、みんなが椅子を並べて、質問攻め。
「未来さんに質問ですー、いつから春樹さんのことが好きでしたか?」
「未来に質問します!春樹くんからの告白にどう思いましたか?」
「え、えーと。とにかくめっちゃ嬉しかったです!!」
バンッ
「ったああああ」
春樹が出席簿で未来を引っ叩く。
「お前、そんなノリノリで質問に応答してどうする!?」
「いいじゃん!なんか実感湧いて嬉しいんだもん!」
(幸せそうでいいなー、未来)
私、蒼井雫(あおい しずく)は遠目で質問攻めされている未来を見ていた。
私は体育祭で幼馴染の月城朝陽(つきしろ あさひ)が借り人競走で他の女の子と走ったことがずっと引っかかっていた。
それでも、
「雫ちゃん」
「朝陽くん」
「よかったね、2人付き合って。ほんとによかった」
まるで自分のことにように喜んでいる朝陽を見て自然と笑みが溢れる。
「そうだね、あんなに幸せそうな未来初めて見たもん」
そんな体育祭も終わった現在。7月前半。