アスミルセカイ
「よろしく、芦川(あしかわ)さん」
「あーよろしくーっ」
クラスでも元気な方の女子。私とは正反対の美少女。
芦川鈴乃(あしかわ すずの)ちゃん。
話したことはあるんだけど、いわゆる陽キャな女子の子で気が強い。
(かわいいもんな…うん)
考えたくなくて視界に入れないように前を向いた。
そして私の隣に来たのは、
「雫ちゃん」
「あ、朝陽くん」
「よろしくね」
「あ、うん」
正直言ってクラスにいる時の朝陽くんは苦手だ。
いわゆる騒がしい男子のノリで。
クラスで関わることはないと思っていたのに…!
ちなみに未来の隣は、クラスメイトの配慮もあって、未来の彼氏の春樹くんだった。
私は班に女子が未来の他にもう1人いたのだが、サバサバしている子で、仲良くなれるか不安だったが仲良くなっていった。
英語の時間。
私は朝陽くんに話しかけられた。
体育祭以来だ。
「これどういう意味?」
単語を指差して聞いてくる。
「あー、each other ね。それはね、“お互い”って意味だよ」
「そうなんだ。ありがと…え、じゃあこれは?」
「どれ??」
こんな感じで体を乗り出して聞いてくる。
背が高いので、横に座っていると身長差を感じる。
(なんでドキッとしてんだ私)
そんな生活が2週間続き、私はだんだん朝陽くんが隣にいるだけで安心するようになった。
面白くて…楽しくて…
「?どうしたの?」
いつも2人で話すと優しいところが…
「ううん、別に何でもないよ」
「蒼井さん」