アスミルセカイ

暁月くんが写真をもってきた。

「この写真、次のコンクール出そうと思うんだけど、どう思う?」

あれ…。

(何も感じない…)

いつもの私なら暁月くんに話しかけられて嬉しくなるんだ。
なのに…今は何も感じない。
目があっても、写真を持つ手が触れても…。

「え、あのっ!?」

暁月くんの手が故意に私に触れたのがわかる。

「あー…」

そう言うと、零は写真を持ってスッと教室から出た。

「…何してんだ、俺」

零は教室前でそう呟くと、部室へと足を進めた。

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