ちょっと大人だからって、ずるい。
その匂いにつられるようにして、ドアノブに手をかけ、ハッとした。
これ、外出ていいのか?
私、昨日の夜、なんか襲われなかった?
よく分からない人に銃を……
ーガチャ
「ぐはっ」
「…あ、え?ご、ごめん!」
急に目の前のドアが開き、顔面にドアが激突した。
おでこを抑えながら前を見ると、慌てた表情の唯さんが立っていた。
前にあった時とは違い、今日は黒いスーツ姿。黒縁メガネがスーツ姿とよく似合っている。
「唯さん…??」
「うん、ごめんね、起きてたんだね」
「さっき起きて…あの、ここは?」
「身体はどう?腕は痛むだろうけど…それ以外は大丈夫そう?」
私の発言をガン無視し、唯さんは心配そうに私の身体を見ている。
「はい、それは大丈夫なんですけど…」
「そっか、良かった」