ちょっと大人だからって、ずるい。


「今は10時30分だけど…」

「なんと!?」


もう2限目に突入しているでは無いか!

一生懸命覚えた1限目の歴史のテストは終了しているということか!

こんなにのんびりパンケーキを食べている場合ではない!!


「ご、ごめん唯さん!私、学校行かなきゃ!」

「え?」

「今日、テストなの!」

「あ、まって。遥香ちゃん、その件なら…」

「あ、あと泊里にも連絡しないといけないの!私のカバンとスマホは?どこ!?早く学校に行かなきゃ…テストでいい点を取らなきゃパパが悲しむの!」


立ち上がり、鞄とスマホを探してうろうろ慌てていると、パシッと手首を掴まれた。


掴んだ相手を見ると、楓葉だった。


いつの間にか立ち上がり、私の目をじっと見つめている。


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