精霊たちのメサイア
3.家族
3.家族
次の日お昼ご飯の後にローラン様から応接室へ来る様言われた。部屋に入ると、ローラン様の隣にはクラリス様が座っていた。2人の前に座るよう促され、腰を下ろすとメイドさんが紅茶を淹れてくれた。
ローラン様が目配せすると使用人のみんなは出て行ってしまった。
(メイドにして下さいってお願いした話だよね? 人払いする必要ある?)
もしかしたらメイドは足りてるから、孤児院にでも預けられるのかもしれない。アルファは魂の繋がりはあるとは言っていたけど、それは私だけがしっている事で2人は知らない。それならそれはそれでしょうがないかと思いながらも、もしそうだったら寂しいなと思ってしまう程にこの場所はとても居心地が良かった。
「メイドになりたいと言ったそうだね」
頷くと、ローラン様とクラリス様はそっと視線を合わせ小さく頷き合った。
「突然こんな事を言ったら戸惑うかも知れないんだけれど、あの、貴女さえ…レイラさえ良ければ……私たちの子供にならないかしら?」
(……え?)
予想外の言葉に驚いた。思わず開いてしまった口を慌てて閉じる。
(だってもう大きな子供も3人いて孫も何人もいるんだよね?それなのに私を?娘に?)
「我が家は何故か男家系でね、子供たちも孫たちも男ばかりだ」
「子供にも孫にも恵まれているのにこんな事を言ってしまうとバチが当たってしまうかもしれないけれど、どうしても娘が欲しくてね……歳をとって諦めていたんだけれど、こんなに可愛いお嬢さんが我が家にやってきてくれたでしょう? これはきっと神様が私たちとレイラを引き合わせて下さったのだと思ったの」
クラリス様は笑顔を浮かべてはいるが、不安そうに見える。そんなクラリス様の手を守る様に握りしめるローラン様。やはりお二人は素敵な夫婦なんだと思う。
「私たちの様に年老いた親は嫌かも知れないが__」
ローラン様の言葉を遮る様に大きく首を横に振った。
(まさか! そんな風に思うなんてあり得ない!!)
胸の奥から気持ちが溢れる様に、自然と涙も溢れた。出会って間もなく、言葉も話せないし文字も書けない読めない私を娘になんて……そんなふうに考えてくれてたなんて……この嬉しい気持ち、申し訳ない気持ち、温かな気持ち、感謝の気持ち、沢山の気持ちをどう伝えたらいいのか分からなかった。
クラリス様が華奢で少し皺のある手を差し出した。
「もしも娘になってくれるなら、この手をとってもらえないかしら?」
すぐ側にある手。その手を握る時、とても震えた。私の手を包み込む様にローラン様の手が重ねられた。
私はこの2人にどうすれば恩返しができるんだろう。どうすれば、このおうちの役に立つことができるだろう。今はまだ、考えても考えても分からなかった。
その日新しい部屋に案内された。
その部屋は過ごしていた部屋よりも広く、バルコニーも広かった。天蓋付きのベッドに白いソファーの上にはピンクのレースのクッション。家具は白で統一され、カーテンや小物は淡いピンクで統一されていた。
「レイラのイメージに合わせて模様替えしたのよ」
(え!? 養子の話断られるかもしれなかったのに!?)
「断られても、何度でも説得するつもりだったからね」
「ふふっ、ごめんなさいね。 ローランもだけれど、私もレイラと初めて会った瞬間に他人とは思えなかったの。 見えない繋がりが見えた様で、どうしてもここにいてほしい気持ちが先走ってしまって……」
申し訳なさそうに笑うクラリス様の手を優しく握って笑ってみせた。するとクラリス様は私を抱きしめた。躊躇いつつも抱きしめ返した。すぐ側でローラン様はお日様の様な笑顔で見守ってくれていた。
次の日お昼ご飯の後にローラン様から応接室へ来る様言われた。部屋に入ると、ローラン様の隣にはクラリス様が座っていた。2人の前に座るよう促され、腰を下ろすとメイドさんが紅茶を淹れてくれた。
ローラン様が目配せすると使用人のみんなは出て行ってしまった。
(メイドにして下さいってお願いした話だよね? 人払いする必要ある?)
もしかしたらメイドは足りてるから、孤児院にでも預けられるのかもしれない。アルファは魂の繋がりはあるとは言っていたけど、それは私だけがしっている事で2人は知らない。それならそれはそれでしょうがないかと思いながらも、もしそうだったら寂しいなと思ってしまう程にこの場所はとても居心地が良かった。
「メイドになりたいと言ったそうだね」
頷くと、ローラン様とクラリス様はそっと視線を合わせ小さく頷き合った。
「突然こんな事を言ったら戸惑うかも知れないんだけれど、あの、貴女さえ…レイラさえ良ければ……私たちの子供にならないかしら?」
(……え?)
予想外の言葉に驚いた。思わず開いてしまった口を慌てて閉じる。
(だってもう大きな子供も3人いて孫も何人もいるんだよね?それなのに私を?娘に?)
「我が家は何故か男家系でね、子供たちも孫たちも男ばかりだ」
「子供にも孫にも恵まれているのにこんな事を言ってしまうとバチが当たってしまうかもしれないけれど、どうしても娘が欲しくてね……歳をとって諦めていたんだけれど、こんなに可愛いお嬢さんが我が家にやってきてくれたでしょう? これはきっと神様が私たちとレイラを引き合わせて下さったのだと思ったの」
クラリス様は笑顔を浮かべてはいるが、不安そうに見える。そんなクラリス様の手を守る様に握りしめるローラン様。やはりお二人は素敵な夫婦なんだと思う。
「私たちの様に年老いた親は嫌かも知れないが__」
ローラン様の言葉を遮る様に大きく首を横に振った。
(まさか! そんな風に思うなんてあり得ない!!)
胸の奥から気持ちが溢れる様に、自然と涙も溢れた。出会って間もなく、言葉も話せないし文字も書けない読めない私を娘になんて……そんなふうに考えてくれてたなんて……この嬉しい気持ち、申し訳ない気持ち、温かな気持ち、感謝の気持ち、沢山の気持ちをどう伝えたらいいのか分からなかった。
クラリス様が華奢で少し皺のある手を差し出した。
「もしも娘になってくれるなら、この手をとってもらえないかしら?」
すぐ側にある手。その手を握る時、とても震えた。私の手を包み込む様にローラン様の手が重ねられた。
私はこの2人にどうすれば恩返しができるんだろう。どうすれば、このおうちの役に立つことができるだろう。今はまだ、考えても考えても分からなかった。
その日新しい部屋に案内された。
その部屋は過ごしていた部屋よりも広く、バルコニーも広かった。天蓋付きのベッドに白いソファーの上にはピンクのレースのクッション。家具は白で統一され、カーテンや小物は淡いピンクで統一されていた。
「レイラのイメージに合わせて模様替えしたのよ」
(え!? 養子の話断られるかもしれなかったのに!?)
「断られても、何度でも説得するつもりだったからね」
「ふふっ、ごめんなさいね。 ローランもだけれど、私もレイラと初めて会った瞬間に他人とは思えなかったの。 見えない繋がりが見えた様で、どうしてもここにいてほしい気持ちが先走ってしまって……」
申し訳なさそうに笑うクラリス様の手を優しく握って笑ってみせた。するとクラリス様は私を抱きしめた。躊躇いつつも抱きしめ返した。すぐ側でローラン様はお日様の様な笑顔で見守ってくれていた。