君と見たい世界






「じゃあ今日はこれで終わりな。気をつけて帰れよ」





先生の言葉と同時に少し騒がしくなる教室


私も帰る準備を始めていた





「あっ、今日の日直は…松下か!これ運ぶの手伝ってくれ」





帰ろうと思っていたら先生にそんなことを頼まれ


仕方なく「はい」と返事をして先生についていく





「失礼しました」


先生からの頼まれ事を終えて


下駄箱まで歩く





ふと見上げてみると


教室の窓から外を見ている


1人の男の子がいた






誰だろう…


確かあそこは5組の教室だったはず


ていうことは私と同じ2年生なのかな






そんなことを考えていたら


その男の子も私の方を見た






すると男の子は


来て来てと手を動かした





周りには誰もいない


たぶん私に向けてしてるんだろう





でも少し不安で


自分を指さすと


うんうん、と首を大きく振った






誰か分からないけど、行ってみようかな


向こうは私の事知ってるかもしれないし





少し緊張しながら


私は5組の教室のドアを開けた






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