君と見たい世界
家に帰ってゴロゴロしていると
携帯の通知が鳴った
"今週の土曜日空けといて"
柊からだった
もともと予定なんてないし
分かったと返信した
どこ行くの?って聞いても
秘密とかその日になってからのお楽しみなんて言われて
結局教えて貰えなかった
そして土曜日
柊から言われた時間に駅に行くと
柊は柱にもたれかかりながら待っていた
この前は制服だったから
私服だと新鮮な感じがする
こう見ると柊って
意外と普通にかっこいいんだな…
「ごめん、お待たせ」
「ううん、じゃあ行くか」
電車に揺られながら
窓の外を見ている柊
よく見ると綺麗な顔してるんだな
なんて思って見てると
「ん?」とこっちを向かれ
「ううん、なんでもない」と焦って答えた
「そっか、あっ、次の駅で降りるから」
と言われ柊について電車を降りた
「ねぇ、まだ教えてくれないの?」
「まぁまぁ、もうちょっとで見えてくるからさ。ほら!」
「あれって…」
「そう!俺が来たかったのは…じゃん!水族館でーす!」
そう無邪気に笑う柊が
なんだか子供みたいで
少し可愛かった