心理作戦といこうか。
嬉しいけど、驚きの方が大きい。
ママもパパも教えてくれても良かったのに。

「ううっ。」パスタをクルクル巻きながら隣に座る玲くんを小さく睨む。

「真琴?」
「聞こえてるし、聞いてるよ!」今度はカボチャのポタージュを一口、口に含む。

「黙ってたのは悪かった。
 俺なりに真琴の事を考えた結果だ。
 真琴が気に入らないなら別のチャペルを一緒に探そう。
 女性にとっては一生モノだからな。」

「れ、玲くんがそこまで言うなら、、、
 許してあげるっ。」

マンションの時も、チャペルの時も、どんな時も私を一番に考えてくれている玲くんに反抗してしまって申し訳なく思った。

「うん。
 それじゃ、此処で決まりな。
 衣装合わせの予約は俺からするから。
 それと、真琴?
 後でご褒美はしっかり貰うから覚悟しておいて。
 さあ、残りの食事を食べよう。」

「れ、玲くん?
 ご褒美って何でも良いのかな?」

「う~ん。
 何が欲しいかは決まってるから食事が終わってからな。」

なんとなく怪しい雰囲気。
玲くんの考えている事がいまいち掴めないから何を言われるのか不安。
それなのに、美味しい食事は気持ちとは裏腹にどんどん食べれて、食後のデザートのティラミスまで平らげてしまった。

「ふあ~美味しかったあ~
 玲くん、ご馳走さま。
 ぐっすり眠れそう~」

「真琴?歯磨きして寝室行ったら俺が行くまで寝るなよ?
 寝ても起こすからな?」

「は~い」と言ってバスルームへ歯磨きをしに行く。
後で結婚式場のホームページでも見ながら玲くんを待とうと考えながら。
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