心理作戦といこうか。
真琴はリビングに入った瞬間。驚愕といった表情で固まってしまった。
そして、あり得ない事を口にする。

「ねえ?副業の話は?
 今日は新しい副業の事を話すんだよね?
 私のアパートはどうなっちゃうの!?
 ママとパパの許可って!?」  

何故、そうなる?
俯いていた真琴の顔を自分の両手が頬を包み目が合わさせる。

「真琴?
 何言ってる?
 昨夜、副業は辞めろと言った。
 だからもう、真琴は副業なしだろ?
 それなのに別の副業なんてあり得ない。」

「・・・?」

「真琴のアパートはお義父さんが契約してただろ?
 だから、頼んで手続きをしてもらった。
 "お陰さまでやっと、真琴と一緒に暮らせる事になりましたので解約お願いします"って。」

「えっ・・・!?」

嘘、偽りのない事実。

「真琴のご両親は"真琴が頑固でごめんなさいね。玲君と一緒になってくれたら、私たちも安心だわ。"って祝福してくれたぞ。
 真琴の一人暮らしが心配だったから早く一緒に暮らして欲しいって。
 もちろん、俺の親も祝福してる。
 "早く、孫を抱きたい"って。」

驚くのは間違いないな。
真琴にはストレートにいかないと伝わないから驚かして悪いがどんどん進める。
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