心理作戦といこうか。
予想だにしない出来事でパニックなのか、真琴はもう一度、あり得ない事を口にする。
「ね、ねえ?
玲くんはそのっ、お付き合いしてる人っていないの?
私と一緒に暮らすなんて知ったらショックだと思うし…喧嘩になっちゃうよ…。」
大きなため息を吐きたいが我慢をする。
真琴を落ち着かせようとソファまで連れて行くが、座る状況じゃないの立ったままなので俺はそれに合わせる。
そして、告げる。
「真琴?
何言ってるんだよ。
熱でもあるのか?
俺がお付き合いしてるのは、真琴だろ?
昨夜、その話もしたの忘れたと言わせないけど。」
「ええ!!!!」
「何、驚いてるんだよ!
付き合えって言って承諾したのは真琴本人だろ?」
誘導尋問にしたのは、俺だからな。
勘違いしてると思ってるみたいだが、それも想定内だ。
「玲くん?ごめんなさい。
"付き合え"って違う意味だと思ってたの。。。」
「なら、今その訂正したから。
真琴は今からそのつもりで。
分かったなら、一旦落ち着かせるためにもソファーに座りな。」
「……う…ん。」
押しに弱い真琴はここでも了承してしまう。
こんなに押しに弱いと本当に心配になる。
出来ればこの部屋に括り付けて誰にも見られないようにしまっておきたくなる。