心理作戦といこうか。

あからさまに不機嫌丸出しの表情をすると真琴は少し怯えるように固まってしまった。
(早く、ちゃんと最後まで言って。)

「俺の事が好きだからいいよって。
 ちゃんと最後まで言えないとご飯にしないぞ。」

男というのは幾つになっても好きな子をいじめてしまう生き物らしい。

「いっいじわる!!
 えっと…玲くんのことが…すきだから、いいよ?
 言えたよ!玲くん?」

「では、誓いのキスを」と言って少し屈んで真琴の顎を持ち上げキスをした。

柔らかい。ヤバい。
天にも舞い上がりそうな気持ちになる。

「んっ!」

真琴の色っぽい声に最も欲しくなる気持ちを抑えるので忙しい。

「真琴?
 今日の事、忘れたなんて言ったら外出許可しないからな。
 それと、職場には恋人が出来た事を報告する事。
 さあ、夕飯にしよう。」

「れっ玲くん!!
 いきなり、何するの!?」

真っ赤な顔して怒る真琴の頬を撫でるが怒りが収まらない様子。


「いきなりだったのは謝るけど、俺たちは恋人同士なんだ。
 こういったことは自然にするのは当たり前だろ?」

今は、今日のところはキスまでにしておく。

「だって。。。」

恥ずかしそうにもじもじする真琴が可愛いくて、やはり括り付けて誰にも見せたくないと思ってしまう。

「キスでこんなんじゃ先が思い知らされるな。
 それに今のが真琴のファーストキスじゃなかったなら、相手を教えろ。
 真琴の外出禁止も命ずる。」

「ちょっ、ちょっと!
 玲くん、さっきから時々怖いこと言わないで。
 それに…はじめてだよ…。」

それが聞きたかったから、真琴に食事をしようと誘う。
君が大好きな中華だ。
一緒に食べよう。
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