心理作戦といこうか。
風呂から上がり寝室へ向かうと既にいるはずの真琴がいなかった。

「どこ行ったんだ?
 真琴ーーー!?どこにいる!?」

寝室を飛び出すとリビングのドアが開き、真琴が顔を見せる。
はあ、焦った。

「玲くん。お風呂とお水ありがとう。
 リビングに居たの。」

「うっわあ~」

閉じ込めるように真琴を抱き締め、寝室へ連れて行く。

「何で寝室にいない?
 寝室で待ってろって言ったの聞いてなかったのか?
 もしかして、聞こえなかった?」

「え?
 聞いてたけど、私のお部屋が何処か分からなかったからリビングに居たの。」

だから、何でと問い詰めたい気持ちを押さえつけないで設問する。

「真琴?
 俺たちの関係は覚えてるよな?
 別々の部屋で寝るわけないだろ?」

「へえ!?
 覚えてるけど。
 じゃ、じゃあ、ベッドは!?
 まさか一緒じゃないでしょ!?」

「一緒に決まってるだろ?」

「・・・。
 は、恥ずかしくて一緒にだなんて寝れないよ・・・。」

嫌がる真琴を半ば強制的に寝室へ連れて行き、ドアを開ける。

< 130 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop