心理作戦といこうか。
大まかな状況をエントランスに降り、彼から一通り聞き把握はしたが、真琴本人が何処にいるから彼も知らないらしい。

「ったく。
 真琴は熱を出して寝込んでいたんだぞ。
 変な事を言っていたらお前の仕事に支障をきたすからな!」

「そんなに怒らないでよ!
 真琴ちゃんが一人でお留守番なんて知らなかったし、昨日の帰り際に明日は玲の部屋に引っ越し祝いを持っていくって言ってたんだけど!
 とにかく!早く探したら?
 私は出直すから~がんばって~」

昨日か…真琴とディナーの約束をしていたので急いでいたから聞いてなかった。

遠くなる棗の背中にごめん。と呟く。
ダメ元で真琴に通話を掛けてみたが、やはり呼び出すだけで全く取り合ってくれない。


もう一度、掛ける。


真琴の移動手段を考え、駅の方へと足を運ぶ。


…ーーーーーー!?『もしもし?』!?

< 137 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop