心理作戦といこうか。
ふぁ～と欠伸が漏れそろそろ今晩は寝ようかなと彼を見ると欠伸がうつったらしく、ふぁ～と同じように眠そうにしている。
小さな事かも知れないが幸せだなあと感じる瞬間だ。

「真琴、そろそろ寝ようか。
　寝て起きたら明日は忙しいぞ。」

「何か急用？」

一瞬で目が覚めた。
明日は休日だけど特別な予定はなかったはず。
眠そうにしていた彼の目は何故かギラギラしている。

「まあ、急用だな。
　真琴のペースに合わせていると赤ちゃんが生まれそうだからな。」

「なんのこと？」

「病院に行く前に籍を入れた方が良いと思う。
　式の日が良いって言ってのは知ってる。
　けど式の前にしておいた方が後々手続きやら名字変更やら動きやすい。
　明日は両家にその報告をしよう。
　妊娠の報告は真琴のペースで良いけど。」

「うん！」

「俺たちの事を心配して協力してくれた皆に挨拶に行かないとな。」

「玲君、ありがとう！」と言ったら右側にいる彼の右手に絡み付く。


頼もしい彼のお陰で私はこんなにのんびりしていられる事に感謝しよう。
彼の頭の中は果たしてどんなサイクルで動いているのだろう。
どこに落ちているのか分からない小さな幸せを見落とさないようにと心に誓って目を閉じた。
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