心理作戦といこうか。
何処までも用意周到の玲くんと適当に過ごしてきた私。
今日からはここのキッチンで夕食を作るのかと思うと、使い慣れてないからちゃんと作れるか不安になってきた。

「ん!美味しい~
 玲くん、このパンどこの?
 凄く美味しい~」

「職場の近くの。
 真琴が気に入ると思った。
 食べたい時にメッセージくれたら、また買ってくるよ。
 なあ?真琴。
 今日は定時終業の日だよな?」

「ん?
 そうだけど…
 何か予定でもあるの?」

一昨日までなら、本日は副業の日だったわけだから残業はない。
彼ならそれを間違いなく知ってるはずなのに、聞いてくるなんて…

『時間を有効活用したいなら別のやり方を教える。』

と、玲くんは言ってたけど。。。
うどん屋さんでばったり会った時に言ってたやつのご提案なのかな??
まさか!?この広い部屋の掃除についての説明だろうか。
彼だって一人でこの広さの部屋を掃除するのは大変だろうから、役割分担かな?
(あんまり、掃除って得意じゃないんだけど。)

玲くんの考えているいる事がいまいち掴めず、次にくる言葉に身構えてしまう。
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