心理作戦といこうか。
これから毎日こんな風な状況が続くのかと思うと私の心臓どうなっちゃうの!?って不安になってきた。
玲くんもきっと毎回毎回こんな幼い私のお世話しなきゃで困るよね。
何か嬉しい事がある度に抱き付かれたら…ねえ?

「れっ玲くん?何度もごめんなさい。
 そっそろそろ、時間も気になるし……。
 片付けもしたいし……。」

「そうだな。
 引っ越し初日で遅刻だと色々と怪しまれるからここまでにしておくか。」

??? 
怪しまれるってなんのこと?
わからないので首を傾げるが、玲くんは一瞬目を細めて見られたが朝食に向き合ってしまったのでその話はもう止めることにした。

「ん?う…ん。
 そっそういえば、私は地下鉄だけど、玲くんは?
 職場はどの手段で行くの?」

「俺は徒歩か車。
 職場は近所なんだ。
 今日は駅まで真琴と一緒に行くから徒歩にする。
 片付けは俺がやっておくから準備が出来たら玄関で待ってる。
 真琴、あと10分しかないから急げ!
 着替えはそこに用意してある。」

「わかった。」と言って残りのパンを頬張りコーヒーで流して着替えはそこと言われたら方を見ると、見慣れた自分の洋服がリビング内のハンガーラックに綺麗に掛けてあった。
玲くんの几帳面さに愕然とする。

「どうしよう。」

ずぼらな私が此処に引っ越してきて本当に大丈夫なのかな?
汚すのは得意だけど、綺麗に維持をするのは苦手。
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