心理作戦といこうか。
一軒目のスーパーのもう少し先…徒歩で15分程歩いたところに二軒目のスーパーはあった。
マンションを真ん中に考えると右側に一軒目、左側に二軒目という具合だった。
どちらかというと二軒目のスーパーの方が駐車場もあることなので、そちらを軸に考えようと思った。

「真琴とスーパーなんて感慨深いな。
 昔はアイス食べたい!お菓子食べたい!って大騒ぎだったけど。」

「玲くん!
 私はもう、立派な大人なの!
 それでも時々。アイスとかお菓子が欲しくなる日もあるけど。」

昔って何歳の時のわたしよ!!
玲くんの中の水谷真琴は何歳で止まってるの?って疑う目で見て抗議する。

「まあまあ。
 それで、真琴はどっちのスーパーをお気に召した?」

「う~ん。
 こっちかな。
 ドラッグストアが隣にあるし店内も広いから品揃え豊富だし、何より安い!!」

「だな。俺もこっちかなって思った。
 喉乾いたからドリンクでも買うか。
 まだ行きたいところあるだろ?
 休憩しても良いけど、どうする?」

「失言した玲くんには後で美味しいランチを奢って貰うことにするね!」
と言って冷たいレモンウォーターのペットボトルを玲くんに差し出す。
すると、珍しく大きな声で笑う玲くんにドキッとした。
なんて綺麗な顔で笑うのーーーーー?
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