【短編】僕の視線の先には…
―数分後…
公園の前から2人、歩いてこっちに来ていた。
雄馬…?
…と、誰だあいつは…?
俺がそいつを理解した時は、すでに俺の目の前に居た。
―…っ!?
驚いた…そこに立っていた人は…
俺と雄馬の好きな人だった。
雄馬は走って行って彼女を呼び止めたらしい。
俺は雄馬に視線を移す。
雄馬は口の端を少し緩めた。
そして口を開いたかと思うと、妙な事を言い出した。
「名前、藤松優香ちゃんだよね?俺、斉藤雄馬!よろしくなっ!こいつは、佐久間真治!」
「あぁ、この前の。」
そう言って笑顔でよろしくね、と手を差し伸べてきた。
俺は、思った以上に動揺していてまだ状況が掴めていなかった。
「真治?どした?」
雄馬は俺の顔を覗き込んできた。
「ん!?あっ!?いやっ!何でもねぇ、あっ!よろしくね!」
俺確実に変だぁー…。
どうしよっ。
「うふふっ、面白い人なのね。」
―…っ!?
何で笑ってんだよっ!////
俺は急に恥ずかしくなった。