【短編】僕の視線の先には…
「はははっ!わりぃーわりぃー!完敗だなぁ…俺。」
「本当にごめんなさい。でも、雄馬くんの気持ちもすごくうれしかったよ?」
「嬉しいこと言ってくれるじゃんっ!」
そう言った雄馬は優香ちゃんを軽く抱きしめていた。
「あっ!おんめぇー何やってんだよ!離れろー!」
俺は雄馬と優香ちゃんを裂くように間に入る。
「お~、早速嫉妬かぁ?熱いなぁ~!」
「わっわりぃかよっ!でも…雄馬、ありがとな♪」
「実はさ…気づいてたんだよなぁ。優香ちゃんの気持ち。」
「…え?」
優香ちゃんは驚いた表情をしていた。
「俺が告白した時よりも、真治が告白してる時…すごく真治を見つめていた。あ~俺、負けるなぁって心のどこかで覚悟してた。そしたらよぉ~、案の定フラれてやんのっ!だっせぇー俺っ!」
雄馬はそう言って空を見上げた。
「雄馬くんって…本当に人を見てるよね。そういう所好き。」
「おっ!?もしかして告白ー?」
「調子に乗るなっ!」
俺は雄馬の頭をくしゃくしゃにする。
「あー!せっかくセットしてんのに何すんだぁー!」
雄馬もお返しで俺の頭をくしゃくしゃにした。
俺は幸せだ…。
好きな人と結ばれて、大好きな親友ともこうやって仲良くやってる。
俺は最高だ!
最高に幸せすぎる。
雄馬に感謝!俺は雄馬が居なかったら、
絶対気持ち伝えることできなかったと思う。
俺は、この恩を必ず返すと約束した。
俺と雄馬の約束―…。
男と男の約束―…。