【短編】僕の視線の先には…
「真治ー!」
「おぉー!雄馬!元気しってかぁ?」
俺の元に元気よく走ってきたこいつは、斉藤雄馬。
俺の1番の親友。
でも、ここ数ヶ月親の用事で地方に出かけていた。
久々の再開に俺のテンションは上がる。
「相変わらずだな、真治♪」
ニヤニヤしている雄馬の視線は、俺の後ろだった。
ん?何だ?
そう思って後ろを振り返ると…
数人の女子が俺の後をついてきていた。
「あぁ…困ってんだよなぁ。」
「いいじゃねぇか!モテねぇーよりわっ!」
そう言って俺の方に腕を回してきた。
―そぉーかぁ?
何て笑いながら言っていた時だった…
「なぁなぁ?」
急に雄馬が俺の方を突付いてきた。
雄馬の表情から笑顔が消え、真剣な表情に変わっていた。
雄馬はある一点を見つめていた。
「あ?どした?」
俺は雄馬の視線の先を探しながら反応する。