【短編】僕の視線の先には…
「お前さぁ、モテんだからもう少し優しくしてやれよなぁ~」
そう言ってきたのは、雄馬だった。
「はいはい。」
「お前、返事だけはいいんだけどなぁ。」
「あ~もぉ!わかったよ!優しくすりゃーいいんだろっ!?優しくすりゃー…」
俺は呆れた。
普通うざいならうざいって言って普通だろ?
なのになんで無理に優しくしなきゃいけねぇーんだ?
いまいち俺は雄馬の考えが理解できない。
―数週間後…
今日は校内の大掃除。
俺はこういう行事には無駄に力が入る奴だ。
「お前らちゃんとやれっ!」
「真治ってこういう時、本当真面目だよねぇ~!」
ほうきを振り回しながら女子が言った。
「うっせ!いいからやれっ!」
「あ~わかったよ!うるさいなぁ~!後で遊んでよねぇー!」
「わかったから、さっさとしろっ!」
「やったー!遊んでくれるってぇ~ちゃんとしよっ♪」
軽い奴。
遊んでやるって言っただけで、
掃除ちゃんとするなんて…どんな奴だよっ!
ははっ。
俺が心の中で笑い終わって掃除を再開しようと、
振り返った時だった…