【短編】僕の視線の先には…
―ドンッ…
“カランカランッ…”
アルミ缶が転がる音が静かに響く。
「わっわりぃ!!」
「いえいえ、こちらこそボーッとしてて…」
俺の目の前にあったアルミ缶を拾おうと手を伸ばした時…
「あ、手が汚れてしまうので拾わなくて結構ですよ。私が拾いますので…。」
彼女はそう言って、伸ばした俺の手を止めた。
俺は心の中で変な気持ちに襲われた。
「ほんと、ごめんな?」
「いえいえ、本当気にしないで下さいね♪」
笑顔でそう言いながらアルミ缶を拾って、どこかへ消えてしまった。
何だったんだ…?あれ?
俺、何でこんな動揺してんだぁ…?
わっけわかんねぇ…。
…ってか、あいつ…どっかで…?