【短編】僕の視線の先には…
「あぁあああぁぁぁああぁ!」
俺はあることを思い出して叫んでいた。
「なっ…なっ…なにっ!?どうしたのっ!?」
周りの女子が驚いた表情で、一斉に集まってくる。
「あ…何でもねぇー…」
「なぁ~んだ、あんな大きな声出すから心配したじゃん。」
ちょっと残念そうな表情をしながら女子は散った。
「わりぃな、はははっ…」
俺は苦笑いしながら女子に謝る。
そう…あいつは、雄馬が恋した女だった。
それから数週間後…
「…ぁー?なぁー?しーんーじー!」
1人の女子が俺の耳元で叫んだ。
「…はっ!?」
「最近真治…変だよ?ボーッとしてること多い。どうしたのぉ?」
「どーもしてねぇーよ!」
俺はそう言って優しく女の頭を撫でる。
でも、俺の視線はこの女子じゃなくて…
その後ろの方に小さく見える、
あいつだった…。