【短編】僕の視線の先には…
「最近さぁ、お前見てて思うことがある。」
俺たちは場所を移動して風見鶏の近くにある公園に来た。
「あぁ。」
「お前、あいつのこと好きだろ?」
「あいつ?」
「あぁ、俺が好きって言った女。」
「あ~、どうして?」
「お前、最近ずっとそいつ目で追ってる。」
俺が?目で追ってる…?
…な訳ねぇだろっ!?
「俺、本気であいつのこと好きなんだよ。」
「あぁ、お前見てっとわかるけど。」
「だからよぉ、この際はっきりさせねぇーか?」
雄馬のこの一言に俺は驚いた。
はっきりさせる…?何を?
俺はあいつのこと好きでも何で…も…?
…いや、待てよ…?
俺は本当にあいつのこと好きじゃねぇのか…?
でも…言われてみれば…最近、
あいつがいる教室の周りをうろついてあいつの姿を探したり…?
俺、あいつのこと…好きなのか?